【ネットワーク】サイバーセキュリティについて

概要

TCP/IPはもともと、閉じたネットワークで情報のやり取りや共有を目的として生まれました。しかし、今日ではその利用範囲が全世界に広がり、それに伴い予期せぬリスクも増加しています。インターネットの利便性を損なわずに安全性を確保するためには、適切なセキュリティポリシーの管理が欠かせません。

サイバーセキュリティ

サイバーセキュリティとは関係のない第三者への情報漏洩を防止し、システムやネットワークの安全性や信頼性の確保を目的として、必要な措置及び維持管理を行う事です。これを怠ると、情報の流出だけでなく、システムの停止によるサービスの提供不能、他社への攻撃の踏み台にされる可能性もあります。これらのサイバー攻撃は日々巧妙化しており、利用者もその手口について理解する事が重要です。

大規模攻撃

大規模攻撃(Massive Attack)は、広範なシステムやネットワークに対して同時に行われるサイバー攻撃です。攻撃者は複数のターゲットを一斉に狙い、主に広告ネットワークやIoTデバイスの脆弱性を悪用して攻撃を広げます。目的は情報窃取、サービス停止、大規模なシステム障害の引き起こし、または金銭的な利益を狙うことがあります。その規模と影響は広範囲に及びます。

大規模攻撃のひとつであるランサムウェアはシステムやファイルを暗号化して人時に取り、金銭を要求するといった手法の攻撃です。

標的型攻撃

標的型攻撃(Targeted Attack)は、特定の個人や組織を狙った精巧で高度なサイバー攻撃の総称です。

標的型攻撃の代表的な例として、APT(Advanced Persistent Threat)攻撃があります。これは、特定の組織や国家を標的に、長期にわたって行われる高度なサイバー攻撃です。APT攻撃は、その高度な技術や機密情報への継続的なアクセスを目的としており、従来の防御手法では容易には検出・阻止できないことが多い特徴です。典型的な標的型攻撃は、サイバーキルチェーンとして知られる段階的なプロセスに従います。

  1. 情報収集(Reconnaissance):
    ターゲットの公開情報や社内関連情報を調査し、システムや従業員の情報を収集します。

  2. 攻撃ベクトルの選定(Weaponization):
    収集した情報を基に、具体的な攻撃手法やツールを選定または開発します。

  3. 初期侵入(Delivery):
    業務のメールを装ってマルウェアを送りつけ、ターゲットに侵入を試みます。

  4. 内部の権限昇格と移動(Exploitation):
    脆弱性を利用してシステム内での立場を強化し、より高い権限や重要なデータへのアクセスを目指します。

  5. 持続的なアクセス(Installation):
    長期的な制御を維持するために、攻撃者はバックドアやコマンド&コントロール(C&C)インフラを設置します。

  6. 行動(Actions on Objectives):
    機密情報の盗み出しや破壊などの目的に向けて行動を開始します。

  7. 隠蔽と後始末(Actions on Objectives):
    目的達成後、ログ情報の削除など活動痕跡を隠蔽します。

対応策

サイバーセキュリティは企業や組織において重要なリスク要因です。リスク管理体制を整備し、セキュリティ監視とインシデント対応を担当する専門チームであるSOCやCSIRTを設置することで対応を強化します。明確なセキュリティポリシーの策定と遵守、最新の脅威情報の収集・分析、技術的セキュリティ対策の導入や、デジタルフォレンジックによる証拠の収集や分析、システムを取り巻く規制要件との適合も不可欠です。これらの対策を総合的に実行することで、組織のサイバーセキュリティを強化し、脅威に対する防御能力を高めます。

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