【ネットワーク】電子メール

概要

電子メールはコンピューターで入力した文章や画像データ、数字データなど様々な情報を世界中のどこにでも送受信する事が出来ます。また、メーリングリストを使用した一斉送信も容易に行えます。

仕組み

電子メールの送受信を効率的かつ確実に行うために、SMTPが使用されます。初期の電子メールでは、両端の端末を常に電源を入れた状態で保つ必要がありました。しかし、時差のある国々との通信では問題が生じるため、常時電源が入っているメールサーバーを介して通信する仕組みが採用され、メールサーバーから受信するプロトコルとしてPOPが標準化されました。

メールアドレス

電子メールでは、メールアドレスを使って宛先を識別します。メールアドレスは「名前@住所」の形式で構成されており、住所部分はドメイン名と同じ構成をしています。個人向けでもメーリングリストでも同じ構成が使われています。この送信先の管理はDNSで行われ、メールアドレスと対応するメールサーバーのドメイン名を登録することができます。これがMXレコード(Mail Exchangeレコード)であり、異なるメールアドレスを特定のメールサーバーで処理する仕組みを可能にします。

MIME

MIME(Multipurpose Internet Mail Extensions)は、電子メールで画像や音声、プログラムデータなどを送受信するためのプロトコルです。OSI参照モデルの第6層に相当し、アプリケーションメッセージの書式を規定しています。MIMEメッセージは、基本的にヘッダと本文から構成され、ヘッダーが空白ということはありません。

ヘッダーでは主に次の2つが指定されます。

  • Content – Type ヘッダーに続く情報の種類を示す。
  • Multipart/Mixed 複数のコンテンツのつながりを示すもの

また、「boundary = 」の後に書かれた文字列で仕切ることにより、1つのMIMEメッセージを複数のMIMEメッセージの集合として扱うことができ、これをマルチパートと呼びます。

SMTP

SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)は電子メールを配送するためのアプリケーションプロトコルで、TCPポート番号の25番が利用されます。SMTPは1つのTCPコネクションを確立した後、制御や応答、データからなるメッセージの転送を行います。クライアントはテキストコマンドで要求を送信し、サーバーは3桁の数字で応答します。各コマンドや応答の末尾には必ず改行(CR, LF)が付加されます。SMTPでは、SMTP – AUTHやSTARTTLSを使用して認証や暗号化通信を行うことでセキュリティを強化できます。

POP

POP(Post Office Protocol)は、メールサーバーからメールを受信するためのプロトコルです。SMTPと異なり、認証機能を持ちます。POPでは、TCPコネクションを通じて短いASCII文字列でコマンドを送信し、応答メッセージは「+OK」と「-ERR」の2種類のみです。

IMAP

IMAP(Internet Message Access Protocol)は、メッセージを受信するためのプロトコルで、POPと異なり電子メールの管理をサーバー側で行います。サーバーはMIME情報を処理するので、「10個の添付ファイルのうち7番目のみを受信」といった操作が可能です。また、「未読/既読」の管理やメールの仕分けもサーバー側で行うため、複数の端末からメールを確認する際に便利です。これにより、サーバー上のメッセージにアクセスすることで、これをクライアントの記憶媒体のように使用することができ、PCやスマートフォンなど複数の端末での利用が大変便利になります。

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