【DS検定】DS73 時系列データ、DS82 誤差

データサイエンティスト検定のスキルチェックリストDS73及びDS74に関する解説を行います。

DS73:時系列データとは何か、その基礎的な扱いについて説明できる(時系列グラフによる周期性やトレンドの確認、移動平均、回帰や相関計算における注意点など)

時系列データ時間の経過に伴って観測されたデータのことを指します。このデータは、特定の時点や時間間隔ごとに収集され、時間の順序に基づいて並べられています。時系列データを理解するためにはトレンドと周期性が重要になります。

トレンド分析:「一定期間にわたって観測されるデータの長期的な変化や傾向」を指し、データや市場、社会的な動向などの分野でよく使われます。

周期性分析一定の周期で繰り返されるパターンや変動のことを指します。これは、データが特定の期間(例えば、日、週、月、四半期など)ごとに定期的に変化する現象を示します。周期性は、季節の変化、カレンダーの周期、またはその他の周期的な要因によって引き起こされることがあります。

各分析の手法と注意点

手法1:移動平均

移動平均は時系列データのノイズを除去し、周期性のパターンをより明確にします。

注意点

過剰な平滑化:過剰な平滑化は周期性の微細なパターンを見逃す可能性があります。

適切なサイズ:適切なウィンドウサイズを選ぶことが重要で、ウィンドウサイズが長すぎると周期性の変化に鈍感になり、短すぎるとノイズが残る可能性があります。

トレンドの除去:移動平均はトレンドを平滑化するため、急なトレンドの強さや方向を十分に反映しない可能性があります。また、トレンドを完全に除去するのは難しく、残ったトレンド成分が周期性の分析結果に影響を与えることがあります。

手法2:回帰

回帰は時系列データや複数の変数間の関係をモデル化し、予測や分析を行う手法です。回帰分析を使用することで、変数間の依存関係を定量化し、未来の値を予測することができます。

注意点

モデルの選定:データ特性に応じたモデル選定が重要です。不適切なモデル選定は予測精度に影響を与える可能性があります。

過剰適合:訓練データに過剰適合したモデルは、テストデータの一般化性能(予測性能)が低くなる可能性があります。モデルの複雑さを適切に調整することが必要です。

変数選定:回帰モデルに含める変数の選定が重要です。不必要な変数や変数の欠落はモデル精度を低下させます。

残差の分析:予実の差である残差に系統的なパターンがある場合、モデルがデータの構造を捉えきれていない可能性があります。残差分析を行うことでモデルの適合度を確認できます。

線形性の仮定:データが線形の関係にない場合、モデルの精度が低下することがあります。

手法3:相関計算

相関計算は、2つの変数間の線形関係の強さと方向を測定します。相関係数を用いて、変数間の関連性を定量化し、関係の強さ(正または負)を評価します。

注意点

因果関係ではない:相関は変数間の関係の強さを示しますが、因果関係を証明するものではありません。

外れ値の影響:外れ値が相関係数に大きな影響を与える可能性があるので考慮が必要。

線形性の仮定:相関計算は線形関係を前提としています。非線形の関係には適していません。

双方向性の誤解:相関は変数間の双方向の関係を示しますが、片方向の影響や複雑な関係がある場合があります。

DS82:標本誤差およびサンプリングバイアス、およびそれぞれの違いについて説明できる

標本誤差標本から得られる統計量が母集団の真のパラメータからどれだけずれているかを示す誤差です。標本誤差は、サンプルが母集団全体を代表するものでないために生じる偶然的な誤差です。標本誤差は直接測定することはできませんが、標準誤差を用いて推計することができます。標準誤差は、標本データから計算される指標で、標本統計量のばらつきを示し、標本誤差の推定に役立ちます。

サンプリングバイアス選択バイアスの一種です。サンプリングバイアスは、サンプルが全体の母集団を正確に代表していない場合に生じる偏りを指します。これは、調査や研究で収集されたデータが特定のサンプルやサブグループに偏っているため、得られた結果が全体の母集団に適用できないという問題です。

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