DS163:「教師あり学習」「教師なし学習」の違いを理解している
本記事で解決できる課題
- 教師あり学習と教師なし学習の違いが分からない
- どちらの手法を選ぶべきか迷っている
- 実際の活用事例を知りたい
機械学習を学ぶ際、「教師あり学習」と「教師なし学習」という2つの基本概念を理解することが重要です。
この記事では、それぞれの特徴、用途、利点・欠点を整理し、適切な選択ができるよう解説します。
教師あり学習(Supervised Learning)とは?
教師あり学習は、「正解(ラベル)」が付いたデータを使い、入力と出力の関係を学習する手法です。
例えば、不動産価格の予測では、過去の取引データ(面積・築年数などの特徴+価格)を学習し、新たな物件の価格を予測できます。
用途
- 回帰分析:連続値を予測(例:株価、不動産価格の予測)
- 分類:カテゴリ分け(例:スパムメール判定、病気の診断)
手法の例
- 線形回帰・ロジスティック回帰:シンプルな数式モデル
- 決定木・ランダムフォレスト:ルールベースで直感的な分類
- サポートベクターマシン(SVM):境界線を学習し分類
- ニューラルネットワーク:深層学習に発展し、画像・音声認識などで活用
メリット・デメリット
メリット | デメリット | |
---|---|---|
メリット | 高精度な予測が可能 | ラベル付きデータの収集が大変 |
デメリット | データに依存しすぎると過学習のリスク | ラベルの偏りがあると正しく学習できない |
教師なし学習(Unsupervised Learning)とは?
教師なし学習は、ラベルなしのデータを使い、データ内のパターンや構造を見つける手法です。
例えば、顧客データを分析し、購買傾向が似ている人を自動的にグループ分けするのが一例です。
用途
- クラスタリング(グループ分け):顧客セグメントの発見
- 次元削減:データの特徴を少ない要素にまとめる(例:画像データの圧縮)
手法の例
- K-means法:データをK個のグループに分類
- 階層的クラスタリング:木構造でデータを整理
- 主成分分析(PCA):特徴を圧縮して可視化
- t-SNE:高次元データを2Dや3Dで視覚化
メリット・デメリット
メリット | デメリット | |
---|---|---|
メリット | データの未知のパターンを発見できる | 結果の解釈が難しい |
デメリット | 精度を評価しづらい | 実務での適用には追加分析が必要 |
教師あり学習と教師なし学習の違いを比較
特徴 | 教師あり学習 | 教師なし学習 |
---|---|---|
データ | ラベル付き | ラベルなし |
目的 | 予測・分類 | 構造の発見・特徴抽出 |
出力 | 具体的な値(価格予測など) | グループや特徴 |
活用例 | 価格予測、スパムフィルター | 顧客セグメント、異常検知 |
どちらを選ぶべきか?
教師あり学習が向いている場合
✅ 正解データがある(例:価格、ラベル)
✅ 予測や分類が必要
例:
- eコマースで、購入履歴からユーザーの興味を予測(レコメンド)
- 健康診断データから、病気のリスクを判定
教師なし学習が向いている場合
✅ 正解データがない
✅ データの隠れたパターンを発見したい
例:
- 顧客データを分析し、マーケティング戦略を考える
- 製造業で異常検知を行い、不良品発生を予防
補足:その他の学習方法
半教師あり学習(Semi-Supervised Learning)
- 一部のデータにラベルがあり、残りはラベルなし
- 教師あり学習よりラベルデータの負担が軽い
- 例:Googleの画像検索(少ないラベルで大量データを学習)
強化学習(Reinforcement Learning)
- 環境との相互作用から最適な行動を学習
- 例:自動運転、ゲームAI
まとめ
教師あり学習と教師なし学習は、それぞれ得意分野が異なります。
- 明確なラベルがある場合は教師あり学習
- データの構造を探索したいなら教師なし学習
実際のビジネス課題に合わせ、適切な手法を選びましょう。
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