概要
ネットワークで通信を行う際にIPアドレスと並んで必要とされる経路制御について説明します。これは通信を行うホストやルーターが必ず持っており、それを参照する事で次の送信先を決定しています。
経路制御表の作成方法には2種類あります。管理者が事前に設定を行う【スタティックルーティング(静的経路制御)】とルーター間で情報交換を行い自動的に作成する【ダイナミックルーティング(動的経路制御)】です。IPでは経路制御表の作成に関して定義は持っておらず、それを持っている前提で定義されています。つまり経路制御表に関しては別のプロトコルが必要になります。
デフォルトルート
すべてのネットワークやサブネットの情報を経路制御表に持つことは無駄が大きいので経路制御表にない場合のルートをデフォルトルートと呼びます。
表記方法は次の3つがあります。
- 0.0.0.0/0
- IP:0.0.0.0 サブネットマスク:0.0.0.0
- default
ホストルート
IPアドレスのすべてを使用して経路制御を行うという意味で、通常でIPアドレスのネットワーク部を使用した経路制御を行うがそれを行いたくない場合に使用します。表記としては「IPアドレス/32」と表記し、32ビットすべてがネットワーク部というような表現になります。
ループバックアドレス
同じコンピューター内部のプログラム間で通信を行いたい場合に利用されるアドレスです。表記としては「127.0.0.1」というアドレスか「LocalHost」というホスト名が使用されます。
リンクローカルアドレス
これはルーターを超えない同一リンク内での通信のために使用され、固定IPを設定していないホストでDHCPによるIPアドレスの取得が出来なかったときに設定されることがあります。ホスト部はランダムに設定され、ルーターによる転送を禁止されています。表記としては「169.254/16」と表記されます。
経路制御表の情報集約
次のようにネットワークアドレスを工夫して配置する事で経路制御情報は6→2まで集約できます。図では集約前は個々のネットワーク情報を保持しているのに対して集約後は「192.168.2」のネットワークと「192.168.3」のネットワークに分けて経路情報を保持しています。さらに外部のルーターには「192.168.2.0/23」のパケットはすべてルーターCだと広報する事で、外部のルーターが保持すべき経路情報の削減も行えます。
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