【ネットワーク】静的経路制御と動的経路制御

概要

経路制御の投稿でも少し触れていますが、経路制御にはスタティックルーティング(静的経路制御)とダイナミックルーティング(動的経路制御)があります。それらについて解説していきます。

スタティックルーティング

これは管理者が手動で経路情報を登録する方法です。100台のルーターがあれば、全ての経路情報を手動で設定する必要があり、新たに追加する場合も全てのルーターに設定を行わなければなりません。また、ネットワークに障害が発生した場合、自動的に経路を迂回する仕組みがありません。

ダイナミックルーティング

管理者はルーティングプロトコルを設定する必要があり、その複雑さは使用するプロトコルによって異なります。ネットワークを追加する場合、対象ルーターにプロトコルを設定するだけで出来るので、ルーターが多い場合には管理の手間が少なくなります。また、ネットワークで障害が発生した場合は自動的に迂回する仕組みがあります。

ダイナミックルーティングではルーター間で常にメッセージ交換が行われるため、一定の負荷がかかります。

ダイナミックルーティングの基礎

ダイナミックルーティングでの経路情報は順々にデータを載せて伝えられます。

IGPとEGP

企業や個人のネットワークをダイナミックルーティングの為に公開することや細かい設定を指示されても従う必要はありません。そのように同一のルールで運用する範囲を自立システムや経路制御ドメインと呼びます。

この自立システム内での経路制御プロトコルとして使用されるものがIGP(Interior Gateway Protocol)です。また、自立システム間で使用されるプロトコルをEGP(Exterior Gateway Protocol)と呼びます。

IGPとEGPはIPアドレスのネットワーク部とホスト部のような関係でEGPによって地域ネットワークやプロバイダ間の経路制御が行われ、IGPによって内部のどのホストなのかが識別されます。

制御アルゴリズム

経路制御のアルゴリズムにはいろいろありますが、代表として次の2つがあげられます。

距離ベクトル型(Distance – Vector)

距離ベクトル型のアルゴリズムはメトリックと呼ばれる距離と方向によって目的のネットワークやホストの位置を決定する方法です。ルーター間では向きと距離に関する情報から経路制御表を作成して通信を行います。処理は比較的簡単な方法ですが、距離はルーターごとに異なるため複雑なネットワークの場合に情報が安定するまでに時間がかかったり、ループが生じやすいといった問題があります。

リンク状態型(Link – State)

リンク状態型はネットワーク全体の接続状態を理解して経路表を作成する方法です。ネットワーク構造はどのルーターでも同じものを持てばよいので、情報を素早く同期させる事に専念すれば経路制御を安定させることが出来ます。しかし、ネットワークトポロジーから経路制御表を求める計算は複雑なため、CPU能力とメモリ資源が必要になります。

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