概要
インターネット技術の発展に伴い、システムへの攻撃手法も多様化しました。そのため、単一の技術だけでネットワークの安全性を確保することは難しくなっています。事前に予測されうるリスクに対して最大限の安全対策を講じることが重要ですが、それに加えて日々の運用管理も欠かせません。
ファイアウォール
ファイアウォールはネットワークの境界に配置され、外部からの不正アクセスを防ぐ役割を果たします。主に以下の2種類があります。
- パケットフィルタリング
パケットのヘッダー情報を基に通過を制御します。 - アプリケーションゲートウェイ
具体的なアプリケーションが生成するデータを解析し、不正な接続を検出してブロックします。
これらのファイアウォールは、ネットワーク内の脆弱な端末を制限することでセキュリティを強化します。ただし、単体では完全な防御を提供することはできません。そのため、他の高度なセキュリティ技術と組み合わせて総合的な防御策を構築することが重要です。
IDS/IPS
IDS(侵入検知システム)は、悪意のある通信や内部への不正侵入を検知し、管理者に通知するシステムです。リアルタイムでの監視が可能なものから、定期的にログを解析するものまで、さまざまな種類があります。一方、IPS(侵入防止システム)は不正侵入を検知した場合に自動で対策を講じ、攻撃を阻止できるため、ネットワークのリアルタイムな保護を強化します。IDSとIPSの組み合わせがネットワークのセキュリティを向上させます。
エンドポイントセキュリティソフトウェア
エンドポイントセキュリティソフトウェアは、ユーザーの利用端末やサーバーで動作し、端末を出入りするパケットやデータを監視して不正な処理やウイルスの侵入を防止します。これにより、ファイアウォールを通過した攻撃から端末を保護します。また、マルウェアの潜伏や進行状況を監視し、早期に対策を講じることができます。
コンテンツセキュリティ
標的型攻撃では、偽装したメールに添付する手法や、不正なWebサイトへ誘導してマルウェアを仕込む手法が一般的です。これらの攻撃に対抗するためには、メールの送受信やWeb閲覧時に以下のセキュリティ対策が必要です。
- SMTPサーバーでの送信元IPアドレスの評価
- 送信者認証の強化
- 添付ファイルの診断
- メール本文の危険なURLの無害化
Web通信においては、プロキシサーバーを活用して不審なWebサイトへのアクセスをブロックし、ダウンロードコンテンツに対するマルウェアの検知と遮断を行います。これらのセキュリティ対策を組み合わせることで、組織は標的型攻撃からの防御を強化し、安全なオンライン環境を確保できます。
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