DS173:決定木をベースとしたアンサンブル学習(Random Forest、勾配ブースティング[Gradient Boosting Decision Tree:GBDT]、 その派生形であるXGBoost、LightGBMなど)による分析を、ライブラリを使って実行でき、変数の寄与度を正しく解釈できる
アンサンブル学習は、複数のモデルを組み合わせて予測精度を向上させる強力な手法です。特に、決定木をベースとしたアンサンブル学習は、複雑なデータセットを効率的に扱い、精度の高い予測が可能になります。このブログでは、ランダムフォレストやGBDT、XGBoost、LightGBMといった代表的な手法を使って、アンサンブル学習の基礎を学びます。また、これらのモデルから得られる変数の寄与度をどう解釈するかも解説します。
アンサンブル学習とは?
アンサンブル学習は、複数のモデルを組み合わせることで、個々のモデルでは難しい高精度の予測を可能にする方法です。単一のモデルが持つ欠点(例えば、過学習)を克服し、汎化性能を向上させます。決定木をベースとしたアンサンブル学習は、以下の手法が特に注目されています。
ランダムフォレスト(Random Forest)
ランダムフォレストは、多くの決定木を作成し、それぞれの結果を平均化することで予測精度を高めます。ここでのポイントは、各決定木が異なる特徴量とデータサブセットで学習されるため、過学習を防ぎ、多様なモデルの強みを引き出すことができる点です。
勾配ブースティング(Gradient Boosting Decision Tree: GBDT)
GBDTは、複数の決定木を逐次的に構築し、前の木が犯した誤差を修正しながら学習を進める手法です。結果として、全ての決定木の重み付き和が最終モデルとして構成され、より精度の高い予測が可能になります。
XGBoostとLightGBM
XGBoostは、GBDTをさらに最適化したアルゴリズムです。並列処理や過学習防止のための正則化が組み込まれており、大規模データでも高いパフォーマンスを発揮します。一方、LightGBMは、さらに大規模なデータに対しても高速に学習可能なように設計されており、XGBoostよりも効率的なメモリ使用を特徴とします。
変数の寄与度を正しく解釈する
アンサンブル学習では、モデルが予測を行う際に、どの変数がどれほど寄与しているかを理解することが重要です。これは変数の寄与度(feature importance)と呼ばれ、どの特徴量がモデルにとって最も重要かを示す指標です。
たとえば、顧客の退会を予測するモデルを構築した場合、変数の寄与度は以下のように示されるかもしれません。
特徴量 | 説明 | 寄与度 |
---|---|---|
利用頻度 | サービスを利用する頻度 | 45% |
契約年数 | サービスを利用している期間 | 15% |
顧客の年齢 | 年齢 | 5% |
支払い履歴 | 過去の支払い遅延の有無 | 25% |
問い合わせ件数 | サポートへの問い合わせ回数 | 10% |
この場合、最も高い寄与度を持つ「利用頻度」は、顧客の退会予測において非常に重要であることが分かります。さらに、支払い履歴や契約年数も一定の影響を与えることが確認できます。
まとめ
決定木をベースとしたアンサンブル学習は、複雑なデータに対する非常に強力な手法です。ランダムフォレストやGBDT、XGBoost、LightGBMを使って予測モデルを構築し、変数の寄与度を正しく解釈することで、データの持つ重要な傾向やパターンを明確に把握できます。特に、予測モデルの結果を説明する際には、変数の寄与度を基にビジネス上の意思決定をサポートすることが重要です。
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