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片側検定と両側検定の違いは?統計的仮説検定をわかりやすく解説

データサイエンティスト検定

DS47:片側検定と両側検定の違いを説明できる

本記事で解決できる課題

統計的な仮説検定を学ぶ際に「片側検定と両側検定の違いが分からない」という方は多いのではないでしょうか?

本記事では、片側検定と両側検定の基本的な違いを、具体例を交えて分かりやすく解説します。これを理解することで、適切な統計的手法を選択できるようになります。

片側検定とは?

片側検定(one-tailed test)とは、統計的仮説検定の一種で、あるパラメータが「特定の方向に変化するかどうか」を調べる方法です。

片側検定の基本構造

  • 帰無仮説(H₀): 差がない、または効果がない。
  • 対立仮説(H₁): 片側方向に差がある、または効果がある。

例:新薬の効果を検証する場合

  1. 帰無仮説(H₀): 新薬の効果は旧薬と同じである。
  2. 対立仮説(H₁): 新薬の効果は旧薬より高い(または低い)。

このように、対立仮説が「一方向」に設定される場合、片側検定を使用します。

両側検定とは?

両側検定(two-tailed test)とは、あるパラメータが「特定の値から上下どちらにも異なるか」を調べる方法です。

両側検定の基本構造

  • 帰無仮説(H₀): 差がない、または効果がない。
  • 対立仮説(H₁): 差がある(大きいか小さいかは問わない)。

例:新薬の効果を検証する場合

  1. 帰無仮説(H₀): 新薬の効果は旧薬と同じである。
  2. 対立仮説(H₁): 新薬の効果は旧薬と異なる(高い場合も低い場合も含む)。

このように、効果の方向が限定されていない場合に両側検定を使用します。

片側検定と両側検定の優位水準の違い

統計的検定では、結果が偶然ではなく意味のあるものかどうかを評価するために優位水準(α) を設定します。

  • 片側検定の場合:優位水準(α)をそのまま使用。
    • 例:α = 0.05
  • 両側検定の場合:優位水準を2つの方向に分割。
    • 例:α = 0.05 の場合 → 上側 0.025、下側 0.025

この違いにより、両側検定は片側検定より厳しい判定基準になります。

片側検定と両側検定のp値の扱い

検定結果の有意性を判断するために p値 を使用します。

  • 片側検定:p値が優位水準(α)より小さい場合、帰無仮説を棄却。
  • 両側検定:p値が2倍になるため、片側検定より厳格な基準で判断。

例:p値 = 0.03 の場合

  • 片側検定(α = 0.05):0.03 < 0.05 → 帰無仮説を棄却(有意な結果)
  • 両側検定(α = 0.05):0.03 × 2 = 0.06 → 帰無仮説を棄却しない(有意ではない)

このように、同じデータでも片側検定と両側検定では結論が変わる可能性があります。

片側検定と両側検定の使い分け

項目 片側検定 両側検定
適用場面 効果が「特定の方向」に出ると考えられる場合 効果の方向が分からない場合
新薬が「旧薬よりも優れている」か検証する 新薬が「旧薬と異なる」か検証する
優位水準 そのまま使用 2つに分割
判定基準 緩め 厳しめ

使い分けのポイント

  • 「どちらの方向にも違いがあるか?」→ 両側検定
  • 「特定の方向に違いがあるか?」→ 片側検定

まとめ

片側検定と両側検定の違いを理解することで、適切な仮説検定を選択できるようになります。

項目 片側検定 両側検定
目的 特定の方向に差があるか検証 どちらの方向にも差があるか検証
判定基準 緩め 厳しめ
新薬が旧薬よりも優れているか 新薬が旧薬と異なるか

適切な検定を選択することで、データ分析の信頼性を向上させることができます。


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