【DS検定】DS4 固有値

DS4:固有ベクトルおよび固有値の意味を理解している

データサイエンティスト検定のスキルチェックリストDS4に関する解説を行います。

固有ベクトル固有ベクトルは特定の行列Aが作用すると、ベクトルの向きは変わらずに伸び縮みだけするベクトルです。
条件1 非ゼロのベクトル

条件2 「λ:固有値、v:固有ベクトル

条件3 対象の行列Aは正方行列である。

固有値固有値は行列Aが固有ベクトルに作用した際に伸び縮みする倍率を表したものです。

条件1 det⁡(A−λI)=0 を満たす。 ※I:単位行列、det:行列式

下図の例ではある行列が緑矢印で示した固有ベクトルに作用した結果が青矢印になることを示したものです。この例では固有値は[-2]となります。

用途

固有値と固有ベクトルは、データ解析において以下のように有用です。
  • 主成分分析: 多次元データの特徴を捉え、情報を圧縮し低次元データでの可視化を可能にする。
  • 特徴量の重要度: 固有値は変数の重要度を定量化し、データの本質的なパターンを抽出するのに役立つ。
  • データの変換: 固有ベクトルはデータの主成分軸を示し、データを新しい座標系に変換する際の基準となる。

これらの特性により、固有値と固有ベクトルはデータの理解と解釈を支援し、複雑なデータセットを効果的に扱うのに貢献します。

2×2行列Aについて考えます。

「det⁡(A−λI)=0」の式にそれぞれの値を代入して固有値λを求める。最後に得られた式のa~dへ代入して計算すればλを求めることが出来る。

では実際に数字を使った例を紹介します。下記の例では固有値は「2」か「ー3」であることが分かります。

同様に2×2行列Aについて考えます。

前に求めた固有値「2」と「ー3」それぞれで固有ベクトルを計算する。この時のベクトルの次元数は行列の次元数と同じになる。行列とベクトルの計算はこちらを参照ください。

計算の結果、固有ベクトルは(4,1)であることが分かる。また、固有ベクトルの性質から(4,1)の比率が同じであれば、(8,2)や(1,1/4)も同様に固有ベクトルである。

「-3」で計算した結果は(1,-1)が固有ベクトルとなる。

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