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要件定義で「やらないこと」を決める理由|設計との関係を解説

システム

はじめに(この記事で解決できること)

要件定義というと、「何を作るのか」を決める工程というイメージを持つ人は少なくありません。
しかし、実際のプロジェクトでは、機能を決めること以上に、「どこまで対応するのか」「何を対象外とするのか」を整理することが重要になる場面があります。

この記事では、要件定義が「何を作るか」を決めるだけではない理由と、「やらないこと」を決める意味について解説します。この記事を読むことで、次のことが理解できます。

・要件定義の本当の役割
・「やらないこと」を決める重要性
・設計と要件定義の関係

要件定義は「やること」だけを決める工程ではない

要件定義では、必要な機能や画面、帳票などを整理していきます。そのため、「何を作るかを決める工程」と考えられることが多いでしょう。もちろん、それは要件定義の重要な役割です。

しかし、それだけではありません。実際の要件定義では、「ここまでは対応する」「ここから先は今回の対象外とする」といった線引きを数多く行います。つまり、「やること」と同じくらい、「やらないこと」を決めることも要件定義の重要な役割なのです。

「やらないこと」を決める理由

要望は、多ければ多いほど良いとは限りません。開発期間や予算、人員には限りがあります。
その中で要求だけを増やし続ければ、一つひとつの品質や保守性へ影響が及ぶ可能性があります。

だからこそ要件定義では、要求を増やすだけではなく、優先順位を付け、必要に応じて見送る判断も必要になります。「やらないこと」を決めることは、要求を減らすためではありません。設計の判断基準を明確にし、限られた条件の中で品質を維持するための判断なのです。

設計には判断基準が必要になる

設計は、自由度が高いほど難しくなります。例えば、予算や開発期間に制限がなく、性能にも上限がなく、対応範囲も決まっていなければ、設計者は何を基準に判断すればよいのでしょうか。

設計とは、多くの条件の中から最適な選択を積み重ねていく作業です。ここでいう条件とは、予算や期間だけではありません。利用者数や性能要件、対象業務、対応範囲など、設計の判断基準となる前提条件全体を指します。

「どこまで対応するのか」を決めることも、設計にとって重要な制約の一つです。
これらが曖昧なままでは、設計の判断も曖昧になってしまいます。

要件定義は設計の前提を決める工程である

要件定義では、曖昧な言葉を具体化し、非機能要件を整理することも重要です。
これらに共通しているのは、設計が迷わないための前提条件を整理するという考え方です。

要件定義とは、仕様を増やしていく工程ではありません。
何を実現し、何を実現しないのか。
どのような条件の下で実現するのか。

その判断基準を整理し、設計が迷わない状態を作る工程なのです。

まとめ

要件定義は、「何を作るか」だけを決める工程ではありません。
「何を作らないか」や「どのような条件で実現するか」を整理し、設計の判断基準を明確にする工程でもあります。

設計は、制約があるからこそ最適な選択ができます。
言い換えれば、要件定義とは仕様を決める工程であると同時に、設計が迷わないための制約や判断基準を整理する工程とも言えるのです。

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