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アクセス回線とは?利用者と通信事業者をつなぐ仕組みと種類を解説

アクセス回線 ネットワーク
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はじめに

家庭や企業のLANだけでは、離れた場所にあるネットワークやインターネットへ直接つながることはできません。通信事業者が提供するネットワークまで通信を運ぶために使われるのが、アクセス回線です。

この記事では、アクセス回線がどの区間を指し、利用者側から通信事業者側へどのようにつながるのかを説明します。あわせて代表的なアクセス方式と、回線方式に応じて使われる機器やプロトコルとの役割の違いを整理します。読み終えると、アクセス回線の役割と主な種類を自分の言葉で説明できるようになります。

この記事で分かること

  • アクセス回線がLANと通信事業者のネットワークをつなぐ区間であること
  • 光回線、CATV回線、モバイル回線などの違い
  • ONUやモデムが必要になる理由
  • アクセス回線とPPP・PPPoEの役割の違い

アクセス回線とは

アクセス回線とは、家庭や企業などの利用者側と、通信事業者が運用するネットワークをつなぐための回線です。宅内や社内のLANなどから外部へ通信するとき、事業者側へ到達するための区間と考えると分かりやすいでしょう。

通信事業者側では、多数の利用者から来たアクセス回線を収容し、上位のネットワークへ集約します。この利用者側に近い設備群まで含めて「アクセス網」と呼ぶこともあります。本記事では、利用者側と事業者側を結ぶ区間を中心に「アクセス回線」として説明します。ここでいう回線はケーブル1本だけを意味するものではなく、無線によるアクセスも含みます。

アクセス回線は、信号を実際に運ぶ媒体や方式と深く関係します。光ファイバーや同軸ケーブル、無線などの通信媒体については、ネットワーク配線の種類と特徴で詳しく解説しています。

LANから通信事業者のネットワークへつながる流れ

家庭のPCやスマートフォン、企業の端末は、まずLAN内でルーターなどへデータを送ります。その先でONUやモデムなどの回線終端機器を経由し、アクセス回線を通って通信事業者側の設備へ到達します。

概念的には「端末 → LAN → ルーター → 回線終端機器 → アクセス回線 → 通信事業者側ネットワーク」という流れです。その先でISP(Internet Service Provider)などのネットワークを経由して外部ネットワークへ到達します。ただし、回線事業者とISPが同じ場合も別の場合もあり、実際の契約形態やネットワーク構成はサービスによって異なります。

インターネット全体は、こうした利用者側の接続だけでなく、多数の事業者や組織のネットワークが相互接続されて成り立っています。全体構造はインターネットの仕組みで確認できます。

アクセス回線の主な種類

方式主な媒体特徴
光回線(FTTHなど)光ファイバー光信号を使う固定アクセス。現在の代表的な方式
CATV(ケーブルテレビ)回線光ファイバー・同軸ケーブルなどケーブルテレビ網を利用してデータ通信を提供する
モバイル回線・FWA無線基地局との無線通信を利用し、宅内まで有線回線を引かない構成も取れる
ADSL電話用の銅線既存の電話線を利用する旧式のブロードバンド方式
ダイヤルアップ電話回線モデムで電話網へ接続する低速な旧式方式

光回線(FTTHなど)

光回線は、光ファイバーでデータを運ぶアクセス方式です。家庭まで光ファイバーを引き込む構成はFTTH(Fiber To The Home)と呼ばれます。利用者側にはONU(Optical Network Unit)などを設置し、光回線と宅内のネットワーク機器を接続します。

CATV(ケーブルテレビ)回線

CATV回線は、ケーブルテレビ事業者のネットワークを利用するアクセス方式です。光ファイバーと同軸ケーブルを組み合わせる構成などが使われ、DOCSIS(ケーブル網でデータ通信を行うための仕様)によって通信を提供する例があります。利用者側ではケーブルモデムなどが回線終端の役割を持ちます。

モバイル回線・FWA

携帯電話網を利用するモバイル回線やFWA(Fixed Wireless Access)では、利用者側の機器と基地局の間を無線で接続します。光ファイバーや電話線を建物まで引き込む方式とは異なりますが、利用者のネットワークを通信事業者側へ接続するという役割は同じです。

ADSLやダイヤルアップ

ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)は、電話用の銅線で音声通話とは異なる周波数帯を使ってデータ通信を行う方式です。ダイヤルアップは、モデムを使って電話網へ接続するさらに古い方式です。どちらもインターネット普及期には重要でしたが、現在のアクセス回線を理解するうえでは旧式の方式として位置づけるのが適切です。

ONUやモデムは回線方式に合わせて信号を受け渡す

アクセス回線では、回線側の信号をそのままLAN機器で扱えないことがあります。そのため、光回線ではONU、ADSLではDSLモデム、CATV回線ではケーブルモデムなど、方式に応じた回線終端機器を使用します。

ルーターはIPアドレスを基に異なるネットワーク間でパケットを転送する機器であり、ONUやモデムとは役割が異なります。ただし、実際のサービスでは回線終端機能とルーター機能が一体になった機器もあるため、機器の外見だけで役割を判断しないことが重要です。

こうした信号や通信媒体を扱う仕組みは、OSI参照モデルでは主に物理層と関係します。物理層の役割は物理層とは?OSI参照モデルの基礎と通信方式の重要性を解説で確認できます。

アクセス回線とPPP・PPPoEは役割が違う

アクセス回線は、利用者側と通信事業者側をつなぐ回線やアクセス方式を表します。一方、PPPはポイントツーポイントリンクでネットワーク層のデータを運ぶデータリンクプロトコルで、PPPoEはPPPをEthernet上で利用する方式です。

つまり、「光回線だからPPPoE」というように同じものとして扱うことはできません。アクセス回線が通信経路の土台であるのに対し、PPPやPPPoEはその上で通信を成立させるために使われる仕組みの一つです。PPPとPPPoEの詳細はPPPとは?ポイントツーポイント通信の仕組みとLCP・NCPを解説で説明しています。

まとめ

アクセス回線は、家庭や企業のLANと通信事業者のネットワークをつなぐ区間です。光回線、CATV回線、モバイル回線など媒体や接続方法は異なりますが、利用者側の通信を事業者側ネットワークへ渡すという役割は共通しています。

回線方式によってONUやモデムなどの機器が使われ、PPPやPPPoEのようなプロトコルはアクセス回線そのものとは別の役割を持ちます。この区別を押さえると、LANからインターネットへつながるまでの構成を整理しやすくなります。

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