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CIDRとVLSMの違いとは?プレフィックス長とサブネット分割を解説

CIDRとVLSM ネットワーク
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はじめに

CIDRとVLSMは、どちらも/24/27のようなプレフィックス長を使ってIPアドレスの範囲を扱う考え方です。そのため似た用語に見えますが、同じものではありません。

CIDRは、クラスA・B・Cの固定的な境界に依存せず、任意のプレフィックス長でアドレス範囲や経路を扱うための考え方です。一方、VLSMは、割り当てられたアドレス範囲を必要な規模に合わせて、異なるプレフィックス長のサブネットへ分割するために使います。この記事では、両者の共通点と違いを、具体例を使って整理します。

この記事で分かること

  • CIDRとVLSMの違い
  • 両者に共通するプレフィックス長の考え方
  • CIDRでアドレス範囲をまとめる考え方
  • VLSMで必要な大きさにサブネットを分ける考え方
  • VLSMやCIDRとルーティングプロトコルの関係

CIDRとVLSMの違い

CIDRとVLSMは、どちらもクラスA・B・Cの固定的な境界ではなく、プレフィックス長によってネットワーク部分の長さを表します。ただし、主に使われる目的が異なります。

項目CIDRVLSM
主な目的クラスに依存せずアドレス範囲や経路を扱う1つのアドレス範囲を必要な規模に分割する
プレフィックス長任意の長さを扱うサブネットごとに異なる長さを使う
代表的な利用アドレス割り当て、経路集約組織内のサブネット設計
2つの/24/23としてまとめて表す1つの/24/25/26へ分ける

つまり、CIDRは「クラスではなくプレフィックスでアドレス範囲を扱う」考え方です。VLSMは「サブネットごとに異なるプレフィックス長を使い、必要な大きさを割り当てる」方法です。両者をこの役割の違いから整理すると理解しやすくなります。

CIDRとVLSMに共通するプレフィックス長の考え方

IPv4アドレスでは、192.168.1.0/24のように、アドレスの後ろへプレフィックス長を付けてネットワーク部分の長さを表せます。/24なら先頭24ビットがネットワーク部分で、残り8ビットがホスト部分です。

プレフィックス長が短いほど、1つのネットワークとして扱うアドレス範囲は大きくなります。反対に、プレフィックス長が長いほどネットワークは小さくなり、作成できるサブネットを細かくできます。

サブネットマスクとプレフィックス長の基本は、IPv4アドレスとは?ネットワーク部・ホスト部とサブネットマスクを解説を参照してください。

CIDRはクラスに依存せずアドレス範囲を扱う

CIDR(Classless Inter-Domain Routing)は、IPv4アドレスを従来のクラスA・B・Cという固定的な境界に限定せず、任意のプレフィックス長で扱う考え方です。これにより、必要な規模に応じたアドレス割り当てや、複数の連続した経路をまとめて表す経路集約が可能になります。

例えば、次の2つの連続したネットワークがあるとします。

  • 192.168.0.0/24
  • 192.168.1.0/24

この2つは、共通する先頭23ビットを使って192.168.0.0/23という1つの範囲として表せます。/23の範囲は192.168.0.0から192.168.1.255までです。

このように、CIDRではクラスCだから必ず/24とするのではなく、必要な範囲や経路に合わせてプレフィックス長を使います。重要なのは「IPアドレスの後ろに/24を書くこと」そのものではなく、クラス境界に依存しないプレフィックスによってアドレス範囲を扱うことです。

VLSMは必要な規模に合わせてサブネットを分割する

VLSM(Variable Length Subnet Mask)は、1つのアドレス範囲を分割するときに、サブネットごとに異なるプレフィックス長を使う方法です。すべてのサブネットを同じ大きさに分けるのではなく、必要なホスト数に合わせて大きさを変えられます。

例えば192.168.10.0/24を、規模の異なる3つのネットワークへ割り当てる場合を考えます。

用途割り当て例アドレス範囲
大きなネットワーク192.168.10.0/25192.168.10.0192.168.10.127
中規模ネットワーク192.168.10.128/26192.168.10.128192.168.10.191
小規模ネットワーク192.168.10.192/27192.168.10.192192.168.10.223

同じ192.168.10.0/24から作ったサブネットでも、/25/26/27とプレフィックス長が異なります。これがVLSMの特徴です。

すべてを同じ/26で分割すると、必要以上に大きいサブネットができたり、逆に必要な端末数を収容できなかったりします。VLSMを使うと、必要な規模に合わせてアドレス空間を割り当てられます。

具体例でCIDRとVLSMの違いを確認する

CIDRとVLSMは、アドレス範囲を「まとめる方向」と「分ける方向」で考えると違いをつかみやすくなります。

CIDRの例では、192.168.0.0/24192.168.1.0/24という連続した2つの範囲を、192.168.0.0/23としてまとめて表しました。複数の経路を共通するプレフィックスで集約すれば、ルーティングテーブルで扱う経路情報を減らせる場合があります。

VLSMの例では、逆に192.168.10.0/24という1つの範囲を、/25/26/27と異なる大きさへ分割しました。目的は、必要なネットワーク規模に合わせてアドレスを無駄なく割り当てることです。

ただし、「CIDRは必ずまとめる、VLSMは必ず分ける」とだけ覚えると不正確です。両者の共通点はクラス境界ではなくプレフィックス長を使うことであり、違いは主にアドレス範囲や経路を扱う文脈と、サブネット設計での使い方にあります。

CIDR・VLSMとルーティングプロトコルの関係

異なるプレフィックス長の経路を扱うには、ルーター同士がネットワークアドレスだけでなく、その経路のプレフィックス長も区別できる必要があります。

例えばRIPv1は、経路更新にサブネットマスクを含めません。一方、RIPv2ではサブネットマスクを経路情報に含められるため、VLSMやCIDRを利用した経路を扱えます。RIPv1とRIPv2の違いは、RIPとは?ホップ数で経路を選ぶルーティングプロトコルの仕組みを解説で解説しています。

ここで重要なのは、CIDRやVLSM自体が経路を自動的に交換するプロトコルではないことです。CIDRとVLSMはアドレス範囲とプレフィックスを扱う考え方であり、経路情報をルーター間で交換する役割はRIPやOSPFなどのルーティングプロトコルが担当します。

まとめ

CIDRとVLSMは、どちらも固定的なクラス境界ではなく、プレフィックス長を使ってIPv4アドレスの範囲を扱います。ただし、主な目的は異なります。

  • CIDRは、クラスに依存せず任意のプレフィックス長でアドレス範囲や経路を扱う
  • CIDRでは、連続する複数の経路を共通のプレフィックスで集約できる
  • VLSMは、1つのアドレス範囲をサブネットごとに異なるプレフィックス長で分割する
  • VLSMでは、必要なネットワーク規模に応じてアドレスを割り当てられる
  • 両者とも、プレフィックス長によってネットワーク部分の長さを表す点は共通している

CIDRとVLSMを同じものとして覚えるのではなく、「クラスに依存せずアドレス範囲を扱うCIDR」と「異なる大きさのサブネットを設計するVLSM」という役割の違いを押さえると整理しやすくなります。

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