はじめに
パソコンやスマートフォンのネットワーク設定では、192.168.1.34のようなIPv4アドレスと、255.255.255.0のようなサブネットマスクが表示されます。IPv4アドレスだけでは、どこまでがネットワークを表し、どこからが端末を区別する部分なのかは分かりません。
この記事では、IPv4アドレスをネットワーク部とホスト部に分ける考え方、サブネットマスクとプレフィックス長の関係、同じネットワークかを判断する方法を解説します。読み終えると、192.168.1.34/24という表記が何を意味するのかを説明できるようになります。
この記事で分かること
- IPv4アドレスの基本的な表記
- ネットワーク部とホスト部の役割
- サブネットマスクとプレフィックス長の関係
- 同じネットワークかを判断する方法
IPv4アドレスとは
IPv4アドレスは、IPv4通信で送信元や宛先のネットワークインターフェースを識別する32ビットの値です。通常は32ビットを8ビットずつ4つに分け、それぞれを0~255の10進数へ変換して、192.168.1.34のようにピリオドで区切って表します。
IPアドレスは機器そのものへ必ず一つだけ割り当てられる番号ではありません。例えば、有線LANと無線LANの両方を持つパソコンや、複数の接続口を持つルーターでは、インターフェースごとに異なるIPアドレスが設定されます。
IPがネットワーク間でパケットを転送する全体的な仕組みは、IPとは?ネットワーク層の役割やルーティングを初心者向けに分かりやすく解説で解説しています。
IPv4アドレスを利用範囲によって分類する考え方は、【ネットワーク】グローバルアドレスとプライベートアドレスを参照してください。
IPv4アドレスはネットワーク部とホスト部に分かれる
IPv4アドレスは、ネットワークを識別するネットワーク部と、そのネットワーク内のインターフェースを識別するホスト部に分けて扱います。同じネットワークに属するIPv4アドレスではネットワーク部が共通し、ホスト部が異なります。
ただし、IPv4アドレスのどこまでがネットワーク部になるかは、アドレスだけでは決まりません。/24などのプレフィックス長、またはサブネットマスクを組み合わせることで、32ビットの境界を示します。この境界が分からなければ、通信相手が同じネットワークにいるのか、ルーターを経由する必要があるのかを判断できません。
サブネットマスクとプレフィックス長で境界を示す
サブネットマスクはIPv4アドレスと同じ32ビットの値で、先頭からネットワーク部に対応するビットを1、残りのホスト部に対応するビットを0として表します。例えば、255.255.255.0を2進数にすると、先頭24ビットが1、残り8ビットが0になります。
この境界を短く表したものがプレフィックス長です。192.168.1.34/24の/24は、先頭24ビットがネットワーク部で、残り8ビットがホスト部であることを示します。したがって、/24と255.255.255.0は同じ境界を表しています。

プレフィックス長を使ってアドレス範囲を表す方法はCIDR表記と呼ばれます。プレフィックス長を変えてアドレス範囲を割り当てる考え方は、【ネットワーク】CIDRとVLSMで詳しく扱います。
同じネットワークかを判断する例
192.168.1.34/24では、先頭24ビット、つまり最初の3組の数値に当たる192.168.1がネットワーク部です。ホスト部をすべて0にすると、このIPv4アドレスが属するネットワークは192.168.1.0/24と分かります。
| 通信相手 | ネットワーク | 判定 |
|---|---|---|
192.168.1.80/24 | 192.168.1.0/24 | 同じネットワーク |
192.168.2.10/24 | 192.168.2.0/24 | 別のネットワーク |
192.168.1.80/24はネットワーク部が同じため、同じネットワークに属します。一方、192.168.2.10/24はネットワーク部が異なるため、直接接続された同一ネットワークの相手ではありません。通常はルーティングテーブルを確認し、デフォルトゲートウェイなどのルーターへパケットを渡します。
ネットワークアドレスとブロードキャストアドレス
一般的なIPv4のホスト用サブネットでは、ホスト部がすべて0のアドレスをネットワークアドレスとして使います。192.168.1.0/24では、192.168.1.0がネットワーク全体を表すアドレスです。
ホスト部がすべて1のアドレスは、そのサブネットを対象とするブロードキャストアドレスです。192.168.1.0/24では192.168.1.255に当たります。この例で通常のホストへ割り当てる範囲は、ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスを除いた192.168.1.1~192.168.1.254です。
クラスフルアドレスは歴史的な仕組み
初期のIPv4では、アドレスをクラスA、クラスB、クラスCなどに分け、ネットワーク部の長さを主に8ビット、16ビット、24ビットへ固定するクラスフル方式が使われていました。しかし、必要な規模に合わない大きなアドレス範囲が割り当てられるなど、アドレスを効率よく利用しにくい問題がありました。
現在は、/20や/26のように必要な長さのプレフィックスを指定するクラスレスな考え方が基本です。クラスA~Cは歴史的な背景を理解するための用語として扱い、現在のネットワーク部とホスト部の境界は、クラスではなくプレフィックス長またはサブネットマスクで判断します。
まとめ
IPv4アドレスは32ビットの値で、ネットワーク部とホスト部に分けて扱います。どこで区切るかはIPv4アドレスだけでは決まらず、サブネットマスクまたは/24のようなプレフィックス長によって示します。
- ネットワーク部は所属するネットワークを識別する
- ホスト部はネットワーク内のインターフェースを識別する
- 同じサブネットマスクを使い、求めたネットワークアドレスが一致するIPv4アドレスは同じネットワークに属する
- 一般的なホスト用サブネットでは、ホスト部がすべて0ならネットワークアドレス、すべて1ならブロードキャストアドレスになる
- クラスA~Cは歴史的な方式で、現在はプレフィックス長を基準にする
192.168.1.34/24を見たときは、アドレスだけでなく/24にも注目してください。先頭24ビットがネットワーク部、残り8ビットがホスト部であると分かれば、同じネットワークかどうかを判断できます。
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