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偏微分とは?勾配ベクトルと求め方を解説

データサイエンティスト検定

DS006:2変数以上の関数における偏微分の計算方法を理解しており、勾配を求めることができる

この記事で解決できる課題

関数が複数の変数を持つとき、どのように変化を捉えればよいか分からないと感じたことはありませんか?本記事では、数学・統計・機械学習の基礎となる「偏微分」について、以下のポイントをわかりやすく解説します。

・偏微分の考え方と具体的な計算手順
・二階偏導関数の意味と計算
・勾配ベクトルとは何か?その使いどころ
・勾配の方向が持つ意味と、最急上昇法への応用

これから学習する方でも理解できるように、数式は必要最小限に留めながら、直感的に理解しやすい構成でお届けします。

偏微分とは?

偏微分とは、多変数関数において、特定の変数だけに注目して変化率を調べる操作です。他の変数は一時的に「固定」されたものと考え、その上での変化を追います。

なぜ必要?

現実世界では、1つの結果に対して複数の要因(変数)が影響しています。たとえば、商品の売上は「広告費」「季節」「価格」など多くの要因で決まります。偏微分を使うことで、「広告費を1万円だけ増やすと売上はどれくらい変わる?」といった“要因ごとの影響”を定量的に把握できます。

偏微分を求めてみよう

以下の関数を例にとって、実際に偏微分を計算してみます。

f(x, y) = x² + 2xy + 2y²

xに関する偏微分

・x²   →  通常の微分と同じで、2x
・2xy  →  yは定数と考え、微分結果は2y
・2y²  →  xに依存しないので、微分結果は0

したがって、xに関する偏導関数(∂f/∂x)は ∂f/∂x = 2x + 2y となる。

yに関する偏微分も同様に

・x² → yに依存しないので0
2xy → xは定数と考え、微分は2x
2y² → 4y

よって、∂f/∂y = 2x + 4y となる。

二階偏導関数とは?

通常の関数にも二階微分があるように、偏導関数にも二階偏導関数があります。

・∂²f/∂x²:xで2回微分
∂²f/∂x∂y:まずxで微分、さらにyで微分(順番は逆でも同じ結果)

上記の関数の場合、

・∂²f/∂x² = 2
∂²f/∂x∂y = ∂²f/∂y∂x = 2

勾配ベクトルとは?

勾配(gradient)は、偏微分の結果をまとめたベクトルです。

∇f(x, y) = [∂f/∂x, ∂f/∂y]

上の関数での勾配ベクトルは

∇f(x, y) = [2x + 2y, 2x + 4y]

勾配の意味と応用

関数が一番増加する方向

勾配ベクトルの向きは、「その点において、関数が最も急に増える方向」を示します。たとえば、山の斜面を登るとき、最も傾きが急な方向を指し示すのが勾配です。

機械学習での最適化

勾配は、機械学習のパラメータ調整に欠かせない「最急降下法(勾配降下法)」や「最急上昇法」で使われます。関数の最小(または最大)値を求めたいとき、勾配の方向へ少しずつ進むことで、最適解に近づいていきます。

まとめ

偏微分や勾配は、機械学習・統計解析・物理モデリングなど、様々な分野の基礎となる重要な考え方です。

この記事で学んだこと
・偏微分は特定の変数にだけ注目する微分操作
二階偏導関数で関数の曲がり具合も分かる
勾配ベクトルは関数が最も急に増える方向を示す
勾配を使えば、最適化(最大化・最小化)に役立てられる


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