DS141:線形回帰分析とロジスティック回帰分析のそれぞれが予測する対象の違いを理解し、適切に使い分けられる
本記事で解決できる課題
- 回帰分析(線形回帰・ロジスティック回帰)の違いが分からない
- どちらの手法を使うべきか判断に迷う
- 回帰分析の具体的な使いどころを知りたい
回帰分析は、データ分析において基本的かつ強力なツールです。しかし、線形回帰分析とロジスティック回帰分析には適用対象や目的が異なるため、正しい使い分けが求められます。本記事では、それぞれの手法の特徴と使いどころを分かりやすく解説します。これを読むことで、データの性質や目標に応じた適切な手法選びができるようになります。
線形回帰分析とロジスティック回帰分析は、どちらも回帰分析の一種ですが、次のように予測する対象や出力が異なります。
線形回帰分析
予測する対象
連続値(数値が連続的なデータ)を予測します。例えば、以下のようなケースに適しています。
- 不動産価格の予測
- 株価の予測
- テスト点数の予測
モデルの形式
線形回帰モデルは以下のように表されます。
特徴
- 出力は実数で、負の値を取ることもあります。
- データの傾向を線形関係でモデル化します。
ロジスティック回帰分析
予測する対象
カテゴリカル変数(離散的な分類データ)。以下のような二値分類や多値分類の問題に適しています。
- 顧客が製品を購入するかどうか(Yes/No)
- メールがスパムかどうかの判定
- 病気の診断(陽性/陰性)
モデルの形式
ロジスティック回帰モデルは次の式で表されます。
特徴
- 出力は確率(0~1)で表されます。
- 確率を閾値(例:0.5)で分けて分類を行います。
線形回帰とロジスティック回帰の使い分け
適切な手法を選択するには、次のポイントに注意してください。
1. データの種類
- 連続的な数値を予測する場合:線形回帰
- カテゴリカルな結果を予測する場合:ロジスティック回帰
2. モデルの出力
- 実数値を得たい場合:線形回帰
- 確率値を得たい場合:ロジスティック回帰
3. 目標の性質
- 結果が連続値:線形回帰
- 結果が分類(2値または多値):ロジスティック回帰
具体例:どちらを選ぶべきか?
- 住宅ローンの審査:審査結果(合格/不合格)を予測 → ロジスティック回帰
- 顧客満足度スコアの予測:数値スコアを予測 → 線形回帰
- 製品の売上額予測:販売額を予測 → 線形回帰
- メールのスパム判定:スパムか否かを判定 → ロジスティック回帰
よくある間違いと注意点
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データのスケールに注意
回帰分析では、変数のスケールが異なると結果に影響を与えるため、適切に標準化や正規化を行うことが重要です。 -
相関関係と因果関係を混同しない
高い相関関係が見られる場合でも、それが因果関係を意味するわけではありません。 -
モデルの過適合に注意
特に線形回帰では、説明変数が多すぎるとモデルが過適合になる可能性があります。適切な変数選択を行いましょう。
まとめ
線形回帰分析とロジスティック回帰分析は、それぞれ異なる課題に対応するためのツールです。本記事を参考に、自分のデータと目標に適した手法を選択してください。正しい手法の選択は、分析結果の信頼性を高め、意思決定の質を向上させる重要なステップです。
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