データ尺度の基本:名義、順序、間隔、比例尺度を解説

DS017:名義尺度、順序尺度、間隔尺度、比例尺度の違いを説明できる

データ分析の場面では、データをどのように扱うべきか、その尺度を理解することが重要です。特に、名義尺度、順序尺度、間隔尺度、比例尺度の違いを正確に理解しておくことで、データに適した分析手法を選ぶことができます。本記事では、これらのデータ尺度の基本的な特徴と、質的データと量的データの違いについて詳しく解説していきます。

質的データとは?

質的データは、数字では表現されない「カテゴリー情報」を扱うデータです。例えば、性別、職業、国籍といった情報が該当します。これらは、数値的な比較ではなく、データを分類する目的で使用されることが多いです。質的データは、次の2つの尺度で表現されます。

名義尺度

名義尺度は、データを異なるカテゴリーに分類するための尺度です。この尺度の最大の特徴は、カテゴリー間に順序や大小関係が存在しないことです。例えば、性別(男性、女性)や血液型(A型、B型など)を挙げることができます。名義尺度を使う場面では、データの「数」や「割合」を見て、傾向を把握するのが目的となります。

  • :性別、血液型、国籍
  • 具体的な活用シーン:マーケティング調査で、顧客の性別や出身国を分類して分析する際に使用されます。

順序尺度

順序尺度は、データに順序がある場合に使用されます。ただし、データの間に「差」があっても、その差が具体的な数値で表せるわけではありません。例えば、競技の順位(1位、2位、3位)やアンケートの評価(非常に良い、良い、普通)がこれに当たります。順序が重要であっても、その順序が示す「差」の具体的な大きさは考慮されません。

  • :メダルの色(金・銀・銅)、アンケートの評価
  • 具体的な活用シーン:顧客満足度調査での「満足」「普通」「不満」といった評価結果の分析。

量的データとは?

量的データ、数値で表現でき、計算や統計的分析が可能なデータです。数値データを扱うため、平均値や分散といった統計量を計算する際に適しています。量的データは、次の2つの尺度に分類されます。

間隔尺度

間隔尺度、データ間の差が意味を持つ尺度です。ただし、絶対的なゼロ点が存在しないため、「比率」を計算することはできません。例えば、気温や日付が該当します。「今日は昨日より5度高い」とは言えるものの、「今日は昨日の2倍暖かい」といった比率表現は意味を成しません。

  • :気温、日付、時刻
  • 具体的な活用シーン:複数年にわたる気温の変化を比較して、気候変動の傾向を分析する場合に使用されます。

比例尺度

比例尺度は、絶対的なゼロ点が存在し、比率の計算が可能な尺度です。例えば、身長や体重がこれに該当し、データ間の比率を「二倍」「半分」といった形で表現することができます。比例尺度は、最も情報量が多い尺度とされています。

  • :身長、体重、時間
  • 具体的な活用シーン:複数の製品を比較し、どれが最も軽量か、またはどの製品が他の製品の2倍の重さがあるかといった分析が行われます。

各尺度のまとめ

尺度名称 例1 例2 例3
名義尺度 性別 国籍 血液型
順序尺度 メダルの色 成績 評価
間隔尺度 気温 日付 時刻
比例尺度 長さ 重さ 時間

まとめ

名義尺度、順序尺度、間隔尺度、比例尺度は、それぞれ異なるデータの特性に基づいて使い分ける必要があります。質的データは主に分類や順序付けに使用され、量的データは数値の計算や統計処理に役立ちます。これらの尺度を理解することで、データ分析の質が向上し、正確な判断を下すための基盤を作ることができます。

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