DS13:与えられたデータにおける分散、標準偏差、四分位、パーセンタイルを理解し、目的に応じて適切に使い分けることができる
本記事で解決できる課題
データ分析を行う際、データのばらつきを適切に把握することは重要です。本記事では、以下のような課題を解決するために、統計的なばらつき指標(分散・標準偏差・四分位数・パーセンタイル)について解説します。
- データのばらつきを適切に評価する方法が知りたい
- 分散や標準偏差の違いを理解したい
- 四分位数やパーセンタイルをどのように活用すればよいか知りたい
- 外れ値の影響を抑えてデータの傾向を把握したい
本記事を読めば、データの分布を正しく理解し、目的に応じた適切な指標を選べるようになります。
ばらつき指標の概要
データのばらつきを示す指標には、分散・標準偏差・四分位数・パーセンタイル があります。それぞれの特徴を理解し、適切に活用することが重要です。
1. 分散
分散(Variance) は、データの各値が平均値からどれくらい離れているかを示す統計量です。
計算方法
- データの平均値を求める
- 各データポイントと平均値の差を求め、それを二乗する
- その二乗値の平均を求める
特徴
- 単位が元のデータの単位の二乗になる(例:cmのデータならcm²)
- 外れ値の影響を受けやすい
2. 標準偏差
標準偏差(Standard Deviation) は、分散の平方根を取ったもので、データのばらつきを直感的に理解しやすくした指標です。
特徴
- 単位が元のデータと同じになる(例:cmのデータならcm)
- 分散よりも解釈しやすい
- 外れ値の影響を受けやすい
活用例
- テストの成績のばらつきを把握する
- センサー値の変動幅を評価する
3. 四分位数
四分位数(Quartile) は、データを4つの等しい部分に分割する統計的な尺度で、外れ値の影響を受けにくい特徴があります。
四分位数の種類
- 第1四分位数(Q1):データの下位25%をカバーする値
- 第2四分位数(Q2)または中央値(Median):データの中央の値
- 第3四分位数(Q3):データの上位75%をカバーする値
四分位範囲(IQR:Interquartile Range)
- IQR = Q3 – Q1
- データのばらつきを測るのに有効で、外れ値の影響を受けにくい
活用例
- 給与分布のばらつきを評価する
- 商品レビューの評価点の広がりを確認する
4. パーセンタイル
パーセンタイル(Percentile) は、データを100分割し、指定した割合の位置にある値を示します。
主なパーセンタイル
- 25パーセンタイル(P25):データの下位25%の境界
- 50パーセンタイル(P50):中央値(Q2と同じ)
- 75パーセンタイル(P75):データの上位75%の境界
特徴
- データの分布を詳細に分析できる
- 四分位数と同様に外れ値の影響を受けにくい
活用例
- 身長のパーセンタイルを使い、成長曲線を分析する
- 顧客の購買データを分析し、上位10%の優良顧客を特定する
まとめ
指標 | 特徴 | 代表的な活用例 |
---|---|---|
分散 | データのばらつきを二乗値で評価 | センサーデータの安定性分析 |
標準偏差 | 分散の平方根で、直感的に理解しやすい | テスト成績のばらつき評価 |
四分位数 | 外れ値の影響を受けにくい | 給与分布の分析 |
パーセンタイル | データの相対的な位置を評価 | 成長曲線・優良顧客の特定 |
データのばらつきを適切に評価し、目的に応じた指標を活用することで、より精度の高い分析が可能になります。
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