DE067:NoSQLデータストア(HBase、Cassandra、Mongo DB、CouchDB、Amazon DynamoDB、Azure Cosmos DB、Google Cloud Firestoreなど)にAPIを介してアクセスし、新規データを登録できる
企業のデータ管理では、リレーショナルデータベース(RDBMS)では扱いにくいデータや、すぐに処理しなければならない大量のデータが増えています。例えば、画像や動画、テキストのような非構造化データは、RDBMSのように決まった形(表形式)で管理するのが難しいです。また、大量のデータをリアルタイムで処理する場合も、従来のRDBMSでは対応しきれないことがあります。
こうした課題を解決するのが、NoSQLデータストアです。本記事では、HBaseやCassandra、MongoDB、CouchDB、Amazon DynamoDBといった代表的なNoSQLデータストアに、APIを使ってアクセスし、新しいデータを登録する方法を解説します。
NoSQLとは?
NoSQL(Not Only SQL)は、リレーショナルデータベースのようにあらかじめ決められたデータ形式に縛られないデータベースのことです。これにより、テキストや画像などの「決まった形がないデータ」や、非常に多くのデータを効率よく扱うことができます。代表的なNoSQLデータストアには以下のような種類があります。
- HBase
Hadoop上で動作する分散型データストアで、大量のデータ処理に特化しています。 - Cassandra
高いフォールトトレランスとスケーラビリティを持ち、特に書き込み負荷の高い環境に適しています。 - MongoDB
JSON形式のデータを扱うドキュメント指向データベースで、開発の柔軟性に優れています。 - CouchDB
REST APIを通じてデータにアクセスするドキュメントデータベースで、オフライン対応が可能です。 - Amazon DynamoDB
AWSが提供するマネージド型NoSQLデータベースで、自動的なスケーリングと高可用性を提供します。
NoSQLデータストアのメリット
柔軟なデータ構造
NoSQLデータベースは、決まったデータ形式に縛られないので、データの形を変更したいときにも簡単に対応できます。そのため、頻繁にデータが変わる環境や、開発の途中でデータ構造を調整する必要がある場面に向いています。
スケールしやすい
NoSQLは、データが増えたときにサーバー(ノード)を追加するだけで対応できます。これにより、データ量が急激に増えても、システム全体を止めずにリソースを増やしていくことができます。
障害に強い設計
NoSQLは、データを複数の場所にコピーして保存するので、システムの一部に問題が起きても、他の部分でデータを扱い続けることができます。これにより、システム全体が止まることなく、安定してサービスを提供できます。
APIを使用したNoSQLデータへのアクセス
API(アプリケーションプログラミングインターフェース)を活用することで、外部システムから簡単にNoSQLデータストアにアクセスし、データの登録や取得ができます。各データベースが提供するAPIは異なるため、使用するプログラミング言語や開発環境に応じた選定が重要です。
代表的なNoSQLデータストアのAPI
- MongoDB
公式のドライバを使って、JavaScriptやPythonなど主要なプログラミング言語からアクセスが可能です。 - Amazon DynamoDB
AWS SDKを用いてAPI経由でシームレスに操作でき、スケーラブルなデータ処理をサポートします。 - Cassandra
REST APIやCQL(Cassandra Query Language)を利用して、リレーショナルデータベースに似た操作が可能です。
NoSQLの選定ポイント
NoSQLデータストアを選定する際には、以下の要素を考慮する必要があります。
- スケーラビリティ
データ量が今後どの程度増加するかに応じて、水平スケーリングに強いデータベースを選ぶべきです。 - 可用性
24時間稼働を必要とするシステムでは、フォールトトレランスが高いデータストアが有利です。 - データモデル
ドキュメント指向、列指向、キー・バリュー型など、プロジェクトに最適なデータモデルを選定しましょう。
まとめ
NoSQLデータストアは、リレーショナルデータベースでは対応が難しい非構造化データや大規模データの処理に最適な選択肢です。APIを通じて、さまざまなプログラミング言語からのアクセスが可能で、柔軟かつ効率的にデータの登録や管理が行えます。
HBase、Cassandra、MongoDB、CouchDB、Amazon DynamoDBなどのNoSQLデータストアは、それぞれ特定のユースケースに強みを持っています。ビジネスニーズに合ったデータベースを選び、APIを活用して、効率的なシステム運用を実現しましょう。これらの技術は、データサイエンティスト検定DE067においても重要なスキルとなり、実務での活用にも役立ちます。
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